アンダルシア地方はスペインの中で、今でも最もイスラムが色濃く残る地方。その中で最も有名な町がこの2つ、コルドバ(Cordoba)とグラナダ(Granada)です。
まず、コルドバ。アッバース朝によって滅ぼされたウマイヤ朝の一族が、ダマスクスよりこの地まで逃れてきて、後ウマイヤ朝を興しました。10世紀前半には全盛期を迎え、人口50万超を抱える西欧最大の都市を誇っていたとのことです。以降1234年、レコキンスタの過程においてキリスト教勢力に奪回されるまで、この地ではイスラム文化が花開き、今でもその面影が町のあちこちで目にすることができました。
その代表的なものが、コルドバの象徴であるメスキータ(Mezquita)。往時は25,000人収容可能の大モスクでした。レコキンスタ後はキリスト教の教会に改装されたそうなのですが、内部のアーチからアラベスク模様に至るまで、今でもイスラムの香りがとても強く漂っています。
例えばこれ、メスキータの内部の紋様なのですが、どこからどう見てもイスラムのものそのものです。アラビア文字まで書かれています。きっとイスラム教的な何かも表現されているに違いないのに、この前でキリストに祈りを捧げるのは一体どのような気分だったでしょうか。キリスト教もイスラム教も基本的には排他的な宗教であるはずなので、イスラムのものが徹底的に破壊されることなくここに共生していることにとても強い違和感を覚えました。
後ウマイヤ朝はその経済を支える存在として、ユダヤ人を厚遇したそうです。そのユダヤ人たちはメスキータの北側に集住し、いわゆるユダヤ人街を形成していました。そのエリアの中で写真スポットとして有名なのがここ、花の小道。とても細い路地の両側の白壁にゼラニウムの鉢が飾られ、そして先にはメスキータの尖塔が見えます。多くの人がこの前でシャッターを切っていました。しかし、たしかに絵になるといえばなりますが・・・、この前後に白い家々の村をいくつも見たからでしょうか、あえて特筆すべきものではないような気がしました。
さて、かわってグラナダです。イベリア半島最後のイスラム王朝ナスル朝の首都として栄え、イスラム建築の最高傑作の1つとされるアルハンブラ宮殿があることで余りにも有名です。
そのアルハンブラ宮殿は、町を見下ろす高台の上に、13世紀から14世紀にかけて100年以上かかって建てられました。壮麗さは見事なばかりです。外見は素朴でありながら、中に入るとまばゆいばかりの美しさであったことから、「王は魔王を使って宮殿を完成させた」とまで言わしめたとのこと。特に宮殿の外交・政治の中心であったコマレス宮にあるアラヤネスの中庭の美しさは見事の一言でした。今まで何度もテレビでもネットでもガイドブックでも目にしてきましたが、やっぱり実物を見ると感動もひとしおです。
グラナダの町はアルハンブラ宮殿目当ての観光客で溢れ返っていましたが、一歩裏道に入ると落ち着いた雰囲気が漂っていました。のんびりとそぞろ歩きするのにぴったりです。ここでも目に飛び込んでくる中心のものは白い壁の家々でした。
一番最後の女性が後ろ向いて座っている写真、すごく素敵♪
映画のワンシーンみたい。
投稿情報: JUN | 2009-12-02 22:27
>JUNちゃん
ありがとう!
この写真、自分でも気に入っています。
でもこの女性、路上でパン売っていたんだよ。
投稿情報: Shibuya | 2009-12-06 06:46
そうなんだ!
なんでこんなにパン持って座っているのか不思議に思ってたの。
それでも絵になるね。
何度見ても素敵な写真。
ポスターにしてお部屋に飾りたいくらい♪
投稿情報: JUN | 2009-12-06 09:45
>JUNちゃん
コメントお返しするのが1ヶ月以上後になってしまい、ごめんなさい。
写真を誉められると、嬉しい!
投稿情報: Shibuya | 2010-01-18 13:55